朝起きたときに、
「首が痛い」
「肩がこっている」
「首が重く感じる」
と感じることはありませんか?
そのような場合、睡眠中の姿勢や枕の高さが関係している可能性があります。
枕は単に頭を乗せるためのものではありません。
仰向けや横向きで寝ているときに、頭や首をどのような位置で支えるかによって、首や肩周囲の負担感が変わることがあります。
ただし、「高い枕が悪い」「低い枕が良い」というように、すべての人に共通する正解があるわけではありません。
体格や肩幅、寝姿勢、寝返りのしやすさなどによって、自分に合う枕は変わります。
この記事では、理学療法士の視点から、
・枕の高さを考えるときのポイント
・仰向けと横向きでの枕の選び方
・首や肩に負担をかけにくい確認方法
・現在使っている枕を調整する方法
・枕を変えても首の症状が続く場合の考え方
について分かりやすく解説します。
自分に合う枕を選ぶときに大切なこと
枕を選ぶときには、単純に「何cmの高さが良い」と考えるのではなく、自分の身体や寝姿勢に合っているかを確認することが大切です。
特に確認したいのは、次の5つです。
- 仰向けで首が無理な姿勢になっていないか
- 横向きで頭が傾きすぎていないか
- 寝返りがしやすいか
- 首や肩に違和感がないか
- 起床時に症状が強くなっていないか
枕の高さや形状は、睡眠中の頸椎の位置に関係する可能性があります。
そのため、枕を選ぶときには「高さ」だけではなく、実際に寝たときの身体の状態を確認することが重要です。

枕の高さは首の姿勢にどう影響する?
枕の高さが変わると、寝ているときの頭や首の位置も変化します。
枕が高すぎる場合
枕が高すぎると、仰向けで寝たときに頭が前方へ押し出されるような姿勢になることがあります。
その結果、首の周囲に違和感を覚えたり、肩周囲に負担を感じたりする場合があります。
ただし、必要な枕の高さは体格や寝姿勢によって異なるため、「高い枕はすべて悪い」と考える必要はありません。
大切なのは、実際に寝たときに首が無理な位置になっていないかを確認することです。
枕が低すぎる場合
枕が低すぎる場合も、頭や首を十分に支えられず、寝ているときに違和感を覚えることがあります。
特に横向き寝では、肩幅によって頭とマットレスの距離が変わるため、仰向けと同じ高さの枕が適しているとは限りません。
「何cm」が正解とは限らない
枕選びでは、商品に表示されている高さだけで判断するのではなく、自分の寝姿勢や身体に合っているかを確認しましょう。
同じ高さの枕でも、素材や形状によって沈み込み方が異なります。
そのため、「高さ○cmなら誰にでも合う」という考え方ではなく、実際に使用したときの状態を確認することが大切です。

自分に合う枕を選ぶ5つのポイント
① 仰向けで首が無理な姿勢になっていないか
まず、普段使っている枕に仰向けで寝てみましょう。
このとき、
・顎が極端に胸側へ近づいていないか
・顎が上がりすぎていないか
・首に力が入りすぎていないか
を確認します。
首が前後どちらかに大きく傾いている場合は、枕の高さや形状を見直すきっかけになります。
② 横向きで頭が傾きすぎていないか
横向きで寝ることが多い人は、肩幅も考慮する必要があります。
肩幅がある人では、仰向けと同じ枕を使用すると、横向きになったときに頭が下がりすぎる場合があります。
横向きになったときに、首が左右どちらかへ大きく傾いていないか確認してみましょう。
③ 寝返りがしやすいか
枕を選ぶときには、寝た状態だけでなく寝返りのしやすさも確認しましょう。
枕に頭が沈み込みすぎたり、身体が動かしにくかったりすると、寝返りのしにくさを感じる場合があります。
「仰向けで正しい姿勢になっているか」だけでなく、「自然に動けるか」も大切なポイントです。
④ 首や肩に違和感がないか
枕を使用しているときに、首や肩へ余計な力が入っていないか確認します。
また、枕を変更したあとに首や肩の違和感が強くなった場合は、枕の高さや形状が自分に合っているか見直してみましょう。
⑤ 起床時の状態を確認する
枕が自分に合っているかを確認するときには、寝ている瞬間だけでなく、起床時の状態も参考になります。
例えば、
・起きたときに首が重い
・肩周囲に違和感がある
・以前より首の痛みを感じる
・寝返りがしにくかったように感じる
などが続く場合には、枕を含めた睡眠環境を見直してみるとよいでしょう。

寝姿勢によって枕の選び方は変わる
仰向けで寝ることが多い場合
仰向けでは、頭が前後どちらかへ大きく傾かず、首が無理な姿勢にならないことを確認します。
枕の中央部分だけでなく、首をどのように支えているかも確認しましょう。
横向きで寝ることが多い場合
横向きでは、肩幅によって頭とマットレスとの距離が変わります。
そのため、仰向けではちょうどよく感じる枕でも、横向きになると高さが不足する場合があります。
横向きで寝たときに、頭が身体の中心から大きく傾いていないか確認してみましょう。
寝返りが多い場合
人は睡眠中に姿勢を変えるため、一つの姿勢だけで枕を評価することはできません。
仰向けだけでなく、横向きになったときにも無理なく頭や首を支えられるか確認することが大切です。

朝起きたときに首や肩が気になる場合は?
朝起きたときに首や肩の違和感があるからといって、必ずしも枕だけが原因とは限りません。
日中の姿勢、身体活動、仕事や家事による負担、睡眠環境など、さまざまな要因が関係する可能性があります。
そのため、
「首が痛い=枕が悪い」
と決めつけないことが大切です。
まずは、
・枕の高さ
・寝姿勢
・寝返りのしやすさ
・マットレスなどの寝具
・起床時の症状
を一つずつ確認してみましょう。

枕を変更する場合も、一度に複数の条件を大きく変えるのではなく、自分の状態を確認しながら調整すると変化を把握しやすくなります。
首や肩の違和感が続いている場合は、枕だけでなく姿勢や身体の使い方なども確認してみましょう。詳しくは「首や肩に違和感がある原因とは?姿勢との関係や改善方法を理学療法士が解説」で解説しています。
枕と「ストレートネック」の関係は?
「ストレートネックだから高い枕が悪い」と考える人もいるかもしれません。
しかし、いわゆるストレートネックを枕の高さだけで説明することはできません。
日中の姿勢や身体の使い方など、さまざまな要因が関係する可能性があります。
枕については、睡眠中の頭や首の位置に影響する要素の一つとして考えるとよいでしょう。
そのため、「ストレートネックだから○cmの枕が必要」というように、診断名だけから枕の高さを決めることはおすすめできません。

首の状態が気になる場合には、日中の姿勢や身体の動きも含めて確認することが大切です。
睡眠中の姿勢だけでなく、日中の姿勢についても確認したい方は、「良い姿勢とは?姿勢を考えるときに知っておきたい基本」も参考にしてください。
今ある枕をバスタオルで調整する方法
新しい枕を購入する前に、現在使用している枕の高さを少し調整してみる方法もあります。
例えば、バスタオルを利用して高さを微調整する方法です。
ただし、一度に大きく高さを変えるのではなく、少しずつ調整しましょう。
調整した後は、
・首が無理な位置になっていないか
・仰向けで違和感がないか
・横向きでも頭が傾きすぎていないか
・寝返りがしやすいか
などを確認します。
タオルによる調整は、あくまで自分に合う高さを探すための方法の一つです。
高さを変えても違和感が続く場合には、枕の形状や素材なども含めて見直してみましょう。

枕を変えても首の痛みが続く場合は?
枕を調整しても首の痛みや違和感が続く場合には、枕だけを原因と考えないことが大切です。
特に、
・痛みが強い
・痛みが長く続いている
・腕や手にしびれがある
・力が入りにくい
・症状が徐々に悪化している
・転倒や事故のあとから痛みがある
といった場合には、自己判断で枕だけを調整し続けるのではなく、医療機関への相談を検討してください。
また、枕だけでなくマットレスや寝室の環境など、睡眠環境全体を見直すことも大切です。睡眠環境について詳しく知りたい方は、「睡眠環境と寝姿勢の関係」も参考にしてください。
首の症状にはさまざまな原因があるため、必要に応じて整形外科などで状態を確認することが大切です。

自分に合う枕を見つけるチェックリスト
枕を見直すときには、次の項目を確認してみましょう。
□ 仰向けで首が無理な姿勢になっていない
□ 顎が上がりすぎたり下がりすぎたりしていない
□ 横向きで頭が大きく傾いていない
□ 首や肩に余計な力が入りにくい
□ 寝返りがしやすい
□ 起床時に首や肩の違和感が強くなっていない
□ 現在の枕で睡眠中に不快感がない
すべてを完璧に満たす必要はありません。
自分がどの項目で違和感を覚えているのかを確認することで、枕を調整するときの参考になります。
よくある質問
Q.枕は高い方がいいですか?
A.一概には言えません。
体格や肩幅、寝姿勢などによって適した枕の高さは異なります。
高さだけで決めるのではなく、仰向けや横向きで首が無理な姿勢になっていないか確認しましょう。
Q.横向き寝では高めの枕が必要ですか?
A.仰向けと比べて、必要な高さが変わる場合があります。
横向きでは肩幅によって頭とマットレスとの距離が変わるためです。
実際に横向きになり、頭が大きく傾いていないか確認してみましょう。
Q.バスタオルで枕の高さを調整できますか?
A.高さを微調整する方法の一つとして利用できます。
ただし、一度に大きく高さを変えず、少しずつ調整することをおすすめします。
Q.枕を変えれば首こりは改善しますか?
A.枕が首への負担に関係している場合には、枕の調整によって違和感が軽減する可能性があります。
ただし、首こりには姿勢や身体活動など複数の要因が関係するため、枕だけが原因とは限りません。
Q.朝起きると首が痛い場合は枕を変えた方がいいですか?
A.枕の高さや寝姿勢を確認することは一つの方法です。
ただし、痛みが続く場合や、しびれ・筋力低下などを伴う場合には、枕だけで改善しようとせず医療機関へ相談しましょう。
首や肩の違和感が気になる方は、こちらの記事も参考にしてください
枕だけではなく、日中の姿勢や身体の使い方も首や肩の違和感に関係することがあります。
首や肩の違和感について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
【内部リンク:首や肩に違和感がある原因とは?姿勢との関係や改善方法を理学療法士が解説】
良い姿勢について知りたい方はこちら
枕を見直すときには、睡眠中だけでなく普段の姿勢について考えることも大切です。
「良い姿勢とはどのような状態なのか」を知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
【内部リンク:良い姿勢とは?姿勢のバランスについて解説】
枕以外の睡眠環境も見直してみましょう
睡眠中の身体の状態は、枕だけで決まるわけではありません。
寝具や室内環境など、睡眠環境全体を見直したい方は、こちらの記事も参考にしてください。
【内部リンク:就寝環境が身体に与える影響について】
まとめ
自分に合う枕を選ぶときには、単純に「高い・低い」だけで判断するのではなく、自分の身体や寝姿勢に合っているかを確認することが大切です。
特に確認したいポイントは、
・仰向けで首が無理な姿勢になっていないか
・横向きで頭が傾きすぎていないか
・寝返りがしやすいか
・首や肩に違和感がないか
・起床時に症状が強くなっていないか
の5つです。
枕の高さや形状は、睡眠中の頭や首の位置に影響する可能性があります。
一方で、首や肩の違和感があるからといって、必ずしも枕だけが原因とは限りません。
まずは現在使用している枕で自分がどのような姿勢になっているのかを確認し、必要に応じて高さや形状を調整してみましょう。
また、痛みやしびれなどの症状が続く場合には、枕だけで解決しようとせず、医療機関への相談も検討してください。
自分の身体の状態を確認しながら、無理なく使用できる枕を探してみましょう。
参考文献
・Pang JC, Tsang SMH, Fu ACL. The effects of pillow designs on neck pain, waking symptoms, neck disability, sleep quality and spinal alignment in adults: A systematic review and meta-analysis. Clinical Biomechanics. 2021;85:105353.
・Neumann DA. Kinesiology of the Musculoskeletal System: Foundations for Rehabilitation.
・日本理学療法士協会
・厚生労働省 e-ヘルスネット
・日本整形外科学会
※参考文献は、記事本文の内容を確認するための資料として掲載しています。
この記事の執筆者
バラウンサー
理学療法士
臨床経験20年
整形外科領域を中心に、姿勢評価・運動療法・身体機能改善に従事。
この記事は、臨床経験を持つ理学療法士が、解剖学・運動学などの知識をもとに執筆しています。
身体の状態には個人差があるため、記事内の情報がすべての方に当てはまるとは限りません。
首や肩の痛み、しびれなどの症状がある場合には、必要に応じて医療機関などへご相談ください。
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※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、診断や治療を行うものではありません。症状がある場合には、自己判断せず医療機関などへご相談ください。






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