スクワットのやり方で鍛えられる筋肉は変わる?理学療法士がフォームの違いを解説

運動のバランス

スクワットをやっているけど

「これで合ってるの?」
「膝が痛くなるけど大丈夫?」

と悩んでいませんか?

スクワットは自宅でもできる代表的な筋力トレーニングですが、「太ももの前ばかり疲れる」「お尻に効いている感じがしない」と感じたことはありませんか?

結論から言うと、
スクワットは正しいフォームで行えば
下半身強化・ケガ予防に非常に効果的なトレーニングです。

しかし、フォームを間違えると
膝や腰を痛めるリスクもあります。

実はスクワットは、体幹や腕の位置を少し変えるだけでも、負荷がかかりやすい筋肉が変化すると考えられています。

本記事では理学療法士の視点から、フォームによる違いや、安全に行うためのポイントについて解説します。

スクワットとは?

本格的なスクワットをしている女性

自宅でも簡単にできる筋トレメニューで主に下半身の筋肉を強化する目的で実施される自重トレーニングです。

スクワットの方法によって目的とする筋肉を効率的に筋トレすることが可能となります。

スクワットの効果(強化)

スクワットは「キング・オブ・エクササイズ」と呼ばれるほど
効率の良いトレーニングです。

なぜなら、股関節・膝・足関節の3つを同時に使う
多関節運動だからです。

実際にスクワットでは

・大腿四頭筋(太もも前)
・ハムストリングス(太もも裏)
・大臀筋(お尻)

など、下半身の主要筋群を同時に鍛えることができます

さらに、これらの筋肉を鍛えることで
膝の負担軽減やケガ予防にもつながります

スクワットが筋肉バランスに与える影響

スクワットが筋肉バランスに与える影響について
生成AIにて作成

スクワットは、太ももやお尻など複数の筋肉を同時に鍛えられる代表的なトレーニングです。しかし、フォームによって負荷がかかりやすい筋肉は異なるため、偏った方法を続けると筋肉のバランスに影響を与えることがあります。

例えば、体幹をできるだけ起こした状態で行うスクワットでは、大腿四頭筋(太ももの前側)の活動が高まりやすい一方、体幹をやや前傾させて股関節を意識して行うスクワットでは、大殿筋(お尻)やハムストリングス(太ももの後ろ側)の働きが高まりやすいとされています。

下半身では、前側と後ろ側の筋肉が互いにバランスよく働くことで、膝や股関節を安定させ、日常生活やスポーツで効率よく身体を動かすことにつながります。一方で、特定の筋肉ばかりを鍛え続けると、動作の癖や姿勢の偏りにつながる可能性もあります。

そのため、スクワットは「どの筋肉を鍛えたいのか」という目的に合わせてフォームを選ぶことが大切です。また、長期的には前側と後ろ側の筋肉をバランスよく鍛えることを意識すると、より効率的な身体づくりにつながるでしょう。

ポイント

スクワットは一つのやり方だけにこだわるのではなく、目的に応じてフォームを使い分けることで、筋肉のバランスを意識したトレーニングができます。

なお、筋肉バランスは筋力だけで決まるものではなく、関節の可動域や柔軟性、運動をコントロールする神経機能なども関係しています。そのため、スクワットだけで全ての筋肉バランスを整えられるわけではありませんが、適切なフォームで継続することは、下半身機能の維持・向上に役立つ可能性があります。

スクワットの方法

まず体幹を垂直にして実施する方法と前傾しながら実施する方法があります。

それぞれ目的とする筋肉へのアプローチが異なります。

体幹垂直スクワット

体幹垂直スクワット画像

体幹垂直スクワットは主に大腿四頭筋を中心とした筋トレとなります。

体幹前傾位スクワット

体幹前傾スクワット画像

体幹前傾スクワットは主に大殿筋などのヒップ周りを中心とした筋トレとなります。

EMG(筋電図)研究では、体幹の前傾角度が大きいほど股関節伸展モーメントが増加し、大殿筋やハムストリングスの活動量が高まる傾向が報告されています。

体幹垂直スクワットと体幹前傾スクワットのまとめ

  •   体幹垂直:大腿四頭筋など太ももの前側を中心とした筋トレ
  •   体幹前傾:大殿筋など股関節周りを中心とした筋トレ

手の位置によるスクワット方法の違いについて

手の位置がスクワットの筋トレに及ぼす影響についてまとめます。

一般的には頭の後ろで手を支えて行う方法と肩のラインで前に手を伸ばして行う方法があります。

それぞれ下肢の筋トレに影響があります。

手の位置が異なるスクワット画像

頭の後ろで手を組んで行う方法

頭の後ろで手を組んで行うスクワット画像

腕の質量が後方へ移動するためより下肢の筋肉は前方の筋肉に負荷が加わります。

そのため大腿四頭筋により効率的に負荷を加えることが可能となります。

手を肩のラインで前に伸ばして行う方法

手を前方にのばして行うスクワット画像

腕の質量が前方に移動するため下肢の筋肉は後方の筋肉に負荷が加わります。

そのため大殿筋などの後面の筋肉に効率的に負荷を加えることができます。

手の位置のまとめ

  •   頭の後ろ:大腿四頭筋など前側の筋肉に負荷をより加えられる
  •   前方  :大殿筋など下肢の後ろ側の筋肉に効率的に負荷を加えられる

より効率的なスクワット方法の紹介

体幹の位置と手の位置を組み合わせることで効率的なスクワットが可能となります。

より下肢の前側の筋肉を鍛えたい場合

主に大腿四頭筋など太ももの前側の筋肉を強化する場合です。

  •   体幹の位置:垂直
  •   手の位置:頭の後ろに組む
体幹垂直で手を頭の後ろに組んで行うスクワット画像

より下肢の後ろ側の筋肉を鍛えたい場合

主に大殿筋などふとももの後ろ側の筋肉を効率的に鍛える方法です。

  •    体幹の位置:前傾位
  •    手の位置:前に伸ばす
手を前方にのばして行うスクワット画像

バランスのよい正しいやり方

正しいスクワットのやり方

① 足は肩幅程度に開く
② 胸を張り、背筋を伸ばす
③ お尻を後ろに引くようにしゃがむ
④ 太ももが床と平行になるまで下げる
⑤ かかとで押すように立ち上がる

ポイントは「膝ではなく股関節を使う」ことです。

イスに座るようなイメージで行うと
自然と正しいフォームになります。

正しいスクワットができるようになると

・膝の負担軽減
・スポーツパフォーマンス向上
・日常動作(立つ・歩く)の安定

などのメリットがあります。

正しいスクワットの実践ポイント
生成AIにて作成

NG例

よくある間違い

❌ 膝が内側に入る
→ 膝への負担が大きくなる要因の一つ

❌ 背中が丸まる
→ 腰への負担が増える可能性があります

❌ つま先重心になる
→ 負荷が分散しない

理学療法士の現場でも、
これらのフォーム不良による痛みは非常に多いです。

膝が痛い人向け

膝が痛い場合の注意ポイント
生成AIにて作成

膝が痛い人の対処法

膝が痛い場合は、
無理に深くしゃがむ必要はありません。

・浅めのスクワット
・椅子スクワット

から始めるのがおすすめです。

また、太ももやお尻の筋力不足があると
膝への負担が増えやすくなります。

スクワットは筋力向上を通して膝への負担軽減に役立つ場合があります。ただし、痛みの原因によっては症状が悪化することもあるため、無理のない範囲で実施しましょう。

理学療法士として現場でよく見るのは、
膝が内側に入るスクワットです。

このフォームは膝関節にストレスがかかりやすく、
膝への負担が大きくなる要因の一つになるケースが多いです。

臨床ではフォームの修正によって動作時の負担が軽減する例を経験します。ただし、改善には個人差があります。

スクワットなどのトレーニングで体を整えることは重要ですが、第一印象は服装によっても大きく変わります。ビジネスシーンでの服装選びについては、 ビジネスカジュアルでメンズが迷わず正解へ!最旬コーデや基本ルールを徹底ガイド | Tabicolleの記事も参考になります。

初心者向けの回数・頻度・注意点

初心者むけのポイント
生成AIにて作成

初心者におすすめの回数

スクワットを始めたばかりの方は、10~15回を1セットとして2~3セットを目安に行うとよいでしょう。無理に回数を増やすよりも、正しいフォームを意識しながら行うことが大切です。

慣れてきたら、徐々に回数やセット数を増やしたり、動作をゆっくり行ったりすることで、筋肉への負荷を調整できます。

おすすめの頻度

筋力向上を目的とする場合は、週2~3回程度から始めることがおすすめです。

筋肉は運動後の休息中に回復し、適応すると考えられています。そのため、毎日高負荷で行うよりも、1日程度の休息を挟みながら継続する方が効率的な場合があります。

一方で、軽い負荷でフォームの練習を目的に行う場合は、毎日実施しても問題ないことがあります。ただし、疲労感や筋肉痛が強い場合は十分な休息を取りましょう。

安全に続けるための注意点

スクワットを安全に行うためには、回数よりもフォームを優先することが重要です。

特に次の点を意識しましょう。

  • 膝とつま先の向きをそろえる
  • 背中が丸まらないようにする
  • かかとが床から浮かないようにする
  • 痛みを感じた場合は無理に続けない
  • 呼吸を止めず、自然な呼吸で行う

また、膝や腰に痛みがある方や整形外科疾患の治療中の方は、症状によって適切な運動方法が異なります。運動中に痛みが強くなる場合や不安がある場合には、医師や理学療法士などの医療専門職へ相談することをおすすめします。

理学療法士からのアドバイス

スクワットでは、「あと5回頑張る」ことよりも、「最後の1回まで正しいフォームを維持する」ことの方が重要です。フォームが崩れた状態で回数を重ねると、本来鍛えたい筋肉に十分な負荷がかからず、膝や腰への負担が増える可能性があります。まずは正しい動きを身につけることを優先し、無理なく継続することが健康的な身体づくりへの近道です。

まとめ

スクワットは正しいフォームで行えば

・筋力アップ
・ケガ予防
・姿勢改善

など多くのメリットがあります。

しかし、フォームが崩れると
膝や腰を痛める原因になります。

まずは無理せず、
正しいフォームを意識することから始めましょう。

体幹の位置と手の位置で目的とする筋肉を効率的に鍛えることが可能となります。是非とも鍛えたい部位によってスクワットの方法を変えて実施してみてください。下肢の筋肉を強化することは健康寿命の延長にも大変効果があるといわれております。ぜひともバランスのよい筋肉を目指して頑張ってください。

「本記事は医師による診察に代わるものではありません」

「ご自身の姿勢のバランスが気になる場合や、すでに筋肉に痛みがある場合は、自己判断せずにお近くの整形外科や理学療法士にご相談ください」

姿勢や筋肉のバランスの崩れに関して質問等がある場合には下記のお問い合わせフォームよりお気軽にどうぞ。

参考文献

・Neumann DA. Kinesiology of the Musculoskeletal System

・Schoenfeld BJ. Squatting kinematics and kinetics and their application to exercise performance. Journal of Strength and Conditioning Research.

日本理学療法士協会
https://www.japanpt.or.jp/

・PubMed
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/

・厚生労働省 e-ヘルスネット
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/

・日本整形外科学会
https://www.joa.or.jp/

Shumway-Cook A, Woollacott MH.
Motor Control: Translating Research into Clinical Practice

この記事の執筆者

バラウンサー

理学療法士
臨床経験20年

整形外科領域を中心に、
姿勢評価・運動療法・身体機能改善に従事。

この記事は、臨床経験を持つ理学療法士が解剖学の視点で執筆しています。

▶ 運営者プロフィールはこちらhttps://balauncer.com/profile/

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